残業削減に積極的なIT大手のSCSKでは、社員が席に「ノー残業」「早帰り」といった札を掲げ、周囲に残業しないと知らせる/東京都江東区豊洲(撮影/写真部・植田真紗美)
残業削減に積極的なIT大手のSCSKでは、社員が席に「ノー残業」「早帰り」といった札を掲げ、周囲に残業しないと知らせる/東京都江東区豊洲(撮影/写真部・植田真紗美)
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 企業の間で、残業を抑制する動きが広がっている。人件費を削減する意図はもちろんある。ただ、最近はサービス残業や過労死といった“ブラック”な実態が、大手企業にも存在することが発覚。そんな企業は容赦のない批判にさらされるため、ワークライフバランスに取り組まざるを得ないのが実態だ。

 社員証をICカード化し、オフィスへの出入り時刻を記録したり、パソコンのログイン、ログアウトの時刻で勤怠管理をしたりと、企業はあの手この手で社員の勤務時間を捕捉し、残業減らしに神経をとがらせる。

 しかしそんな一方で、会社の時間管理の“包囲網”をかいくぐり、残業代稼ぎに走る猛者もいる。

 ある大手メーカーの人事担当者が明かすのは、「早出のトリック」だ。この企業では夜間の残業を抑制する代わりに、早朝から定時始業時刻までの時間帯に割増賃金を払っている。夜の残業は、ついダラダラと続いてしまいがちなため、朝の限られた時間に前日の残務やその日の行動計画作成を効率的にこなしてほしい、との狙いからだ。最近、こうした「朝残業」が広がりつつある。とはいえ、眠気に負ける社員も少なくないと見え、早朝のオフィスの人影はまばら。ある社員は、そこを突いて残業代を稼いでいた。

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