STAP(スタップ)細胞に関する会見を開き、さらに注目を浴びている小保方(おぼかた)晴子さん。彼女の世代に見られる特徴とは。同世代の記者が考察した。
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現在30歳の小保方さんは1983年生まれ。就職氷河期を味わった「ロストジェネレーション世代」と「ゆとり世代」の間にあたる。この層を理解してほしいという思いを込めて、80年代前半生まれを「オボカタ世代」と呼びたい。
なぜなら、記者は彼女の一つ年下。自分の学校生活が以前の世代と大きく違うことに気づいたからだ。
新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科の碓井真史教授(社会心理学)は、こう分析する。
「80年代前半生まれの世代は教育方針が大きく変わった時代に育った。小中学校ではプレゼンの勉強が始められ、主張することに慣れている。あえて言えば物怖じしない世代です」
87年に臨時教育審議会が「個性重視の原則」を提唱。この世代が小学校に入る時期である89年には、国連で「子どもの権利条約」が採択された。社会全体が彼らの考え方を形作ったのだと碓井教授は指摘する。
確かに、私も学校で「子どもの権利条約」を学んだ覚えがある。親に「誰のおかげで生活できると思ってるんだ」と説教された時、反省しつつ、心のどこかで「親には子どもを育てる義務がある」と反論していたのはそのせいなのか?
ほかにも、思い当たる。算数の授業中、手を挙げて「わからない」と言ったのを教師に褒められた記憶がある。求められていたのは絶対的な正解ではなく、意欲や自分の論だったと思う。提案すれば学校も保護者もできる限り支援してくれて、工夫次第である程度のことはできると思っていた。発想と熱意と口に出す勇気が、より快適な学校生活をつくるカギだった。
急速に情報技術が普及する時代に生きてきた。小学校にコンピューター室ができ、中学でインターネットの授業があった。高校でクラスの大半が携帯電話を持ち、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のミクシィが大学時代に流行した。
この世代を「ケータイ第1世代でPR上手」と分析するのは博報堂ブランドデザイン若者研究所の原田曜平さんだ。
「就職活動は売り手市場で、バブル世代の万能感に似たプチ万能感がある。比較的おっとりしていてバランス型のゆとり世代に比べ、ガツガツ働きたいという意識も強い」
※AERA 2014年4月21日号より抜粋