田原総一朗・ジャーナリスト
田原総一朗・ジャーナリスト
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 ジャーナリストの田原総一朗さんは、台湾有事を回避するために、バイデン米大統領と中国の習近平国家主席を説得する方策が必要だと指摘する。

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 去年5月のバイデン米大統領の訪日が決まったとき、私は岸田文雄首相に次のように訴えようと思った。

 バイデン氏に対して、単独でモスクワに飛び、プーチン大統領と一対一で会い、プーチン氏の地位を損ねないかたちで停戦させる方策をひねり出すように言うべきだ、と。私はウクライナ戦争を停戦させるにはそのやり方しかないと考えていたのだ。

 ところが、である。バイデン氏が来日する3日前に、私が信頼している自民党の幹部が米国から帰国し、私にこう告げた。

 実はワシントンで国防総省の幹部たちとじっくり話し合ったのだが、国防総省はここにきて、対ロシアの基本戦略を変えたのだ、と。

米国としては、ここまでくれば何としても、できる限りロシアを弱体化させたい。ロシアの弱体化が大目標のため、停戦など考えていない。だから岸田首相に、バイデン氏とプーチン氏との対話を提案しても無駄だ、意味がない、というのである。

 自民党の幹部の助言を聞いて、私は岸田首相に求めるのをやめた。

その代わり、米中対立が深まる中での台湾問題について、私の考え方を岸田首相に進言した。

 CIAのウィリアム・バーンズ長官が2月2日、米ワシントンでの講演で、中国の習近平国家主席について、「台湾に対する彼の野心を過小評価すべきでない」と話し、「中国が2027年までに台湾侵攻を成功させる準備を整えるよう、軍幹部に指示を出したことを知っている」と語った。

 27年までに台湾に武力侵攻する可能性があるとの見方は、21年3月に米上院軍事委員会の公聴会で、米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官(当時)が発した警告で、その後、複数の米国要人が言及している。

 そして、なぜ27年なのかという疑問は、習氏が4期目の続投を図ると、そのための党大会が27年に開かれるためだという。

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