●頼る隣人いない、公的支援頼れぬ 綱渡りの子育て
事件まで母親は、2人の息子と重病の父と4人で暮らしていた。働かなければ生活が苦しい。でも、託児所は使えない。
店の出番を増やそうと考えた母親は、3月5日、サイトで<大至急お願いします>とシッターの募集をかけた。
<保護支給とバイトで生活しています やっぱり(子どもが)ふたりとなると苦しく>
これに応じたのが物袋容疑者だった。そして14、15日の2日連続で店に出るために、14~16日のお泊まり保育を頼んだのだ。
保育に詳しいジャーナリストの猪熊弘子さんはこう指摘する。
「保育事故が起きる背景には、預ける側と預かる側の両方とも貧困を抱えていることが増えてきました。本当に必要な人に支援が届かず、そのしわ寄せが子どもたちにきているのです」
今回の事件は、決して“他人事”ではない。アエラネット会員(※注)への緊急アンケートで切実な声が集まった。