「顔見知りの管理人がいて、防犯カメラがあるから連れ去られても気づくはず。でも、ウソをつかれればどうしようもない。結局、会社がやっているという研修や身分証明を信頼するしかないんです」

 都内で保育施設を営む女性(45)は自分で見極める。会社員時代、子どもを産んで3カ月で職場復帰。保育園は入るのが難しく、最初からシッターのみで子育てをしてきた。人が集まるスーパーマーケットやネット上の掲示板に募集を出し、面接をして「子どもが楽しく過ごせる人」を確保してきた。

「お小遣い稼ぎなのか、本業なのかは大事。切羽詰まっている状態だと危険なので、月15万~20万円は払えるように仕事を固めてあげました。シッターにとっても“失いたくない大事な顧客”にならなきゃいけない」

 驚くことに、1年前、会社の求人で面接に来た5、6人中に物袋容疑者もいたという。ダボダボのジーンズと、背中に大きな刺繍が入った長いスタジャン。逮捕時と同じ服だった。面接の時、玄関先で「どうぞ」と家に入るように促すと、あいさつもなく、先に部屋の奥まで入っていった。脱ぎっぱなしの靴を揃えることもなかった。

「自分のことは一生懸命に説明していましたが、あいさつもしないし、会話もかみ合わない。この人は仕事を探すのにとても苦労するだろうなと、印象に残っていたので、ニュースを見てすぐに彼だとわかりました」

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