中国や韓国などから多くの物を輸入している日本。しかし中には残留農薬が基準値を超えていたり無認可の添加物を使っていたりするなど、違反している事例も少なくない。

 食品問題評論家で食品表示アドバイザーの垣田達哉さんが注目するのが、「大腸菌群」だ。大腸菌は人体に入れば激しい下痢や嘔吐を引き起こす。

 2012年11月から今年10月までの1年間、韓国からの輸入食品の違反事例をまとめた資料によると、マグロ、ゆでズワイガニ(ともに冷凍)、生姜茶、海鮮ミニチヂミ(冷凍)、さらにはインスタントコーヒーなどから、大腸菌が1年間で計8件検出されている。

「大腸菌が検出されるのは、簡単に言えば不衛生だということ。どの段階でついたか不明だが、加工食品であればトイレの問題が大きい。従業員がトイレに行ったあと手を洗わないで食品に触った可能性がかなり高い」(垣田さん)

 昨年7月には、韓国から輸入したビスケット類からジクロルボスが検出された。ジクロルボスといえば、08年に発覚した「中国製冷凍ギョーザ中毒事件」の時にギョーザの皮や具から検出された有機リン系の殺虫剤だ。毒物及び劇物取締法の劇物に指定されている。

AERA 2013年11月25日号より抜粋