五輪でメダルが期待される競技のひとつ、女子サッカー。次世代のなでしこを担う選手を追った。
なでしこに2020年のリーダー候補が現れた。JFAアカデミー福島の三宅史織(18)。ユース世代から日の丸をつけたが、9月に行われた親善試合ではなでしこジャパンに飛び級で初招集された。ナイジェリア戦に初先発。センターバックとして2-0の完封勝利に貢献した。
力強い守備もさることながら、正確で速い縦パスを何度も通しスタンドを沸かせた。先制点も三宅の速く長いパスから。最後に大儀見優季がゴールを決めるとようやく緊張がほぐれた。
「あんなに緊張したのは初めて。キックオフから10分くらいは何も覚えてないんです」
何しろ一緒にプレーするのは澤穂希、宮間あや、川澄奈穂美という世界を制した顔ぶれ。硬くなるのも当然だが、特別指定選手としてともにプレーするINAC神戸の近賀ゆかり(29)から手厚いサポートを受けていた。
「緊張してるの? INACの選手がこんなにたくさんいるんだから大丈夫だよ。思い切り声を出さないと伝えきれないよ!」