アベノミクスの恩恵なのか何なのか、なにやら外国人観光客が増えているらしい。実際に彼らは日本に来て、どんなものを買っていくのか。今、彼らに人気のクール・ジャパンを探るべく、都内の観光スポットで話を聞いた。
明治神宮の観光ついでに立ち寄る買い物スポットとして知られる原宿・渋谷エリアへ。外国人観光客が多いのは、渋谷の東急ハンズと、原宿竹下通りにある100円ショップ、そして表参道のキデイランド原宿店あたりとなる。そのキデイランド前で出会ったタイから来た女子学生は、コレ買いに。
「コムデギャルソンの服とキデイランドのキャラクターグッズです。キティや、タイでもみんな使ってるLINEのキャラクターグッズも買いました」
もうひとつ、この界隈でほんとに人気だったのが、海外で「原宿ファッション」として有名だというゴスロリ系の服。どこの町でも、ちょっとトガった女子観光客に「YOU」と声をかけると、「大好きな原宿で買った」と言いながら、黒いゴスロリ系の服を見せてくれる。
「来る人の幅も広がって、旅のニーズが細分化しています。同時に、どうせお金を使うなら、いかにも日本みやげといった定番ものより、それぞれの趣味に合ったマニアなものを吟味して買う傾向はありますね」
そう話すのは、ユニークなオプショナルツアーを提供しているサイト「Voyagin」の代表、高橋理志さんだ。日本人向けの海外オプショナルツアーのほか、日本にやってくる外国人向けにも、300種以上のオリジナルツアーを提供して、人気を呼んでいる。
ラインアップを見ると、たしかに観光客のニーズはマニア化している。新宿・歌舞伎町の「ロボットレストラン」など「テーマレストランに行くツアー」や、忍者の五つのワザを学ぶ「忍者エクスペリエンス」、「寿司作り」「カラオケ」、はたまた墓地を巡る「幽霊ツアー」まで、ガイドブックには載ってない変わり種の体験型ツアーが目白押し。
「買い物系で人気があるのは、東京のロリータファッションの女の子と一緒に原宿のショップなどをめぐるツアーや、サイズのアドバイスなどを受けながら着物を買えるツアー。それから、合羽橋の道具街へのキッチングッズ買い物ツアーも、人気が高いです」(同)
※AERA 2013年9月9日号