「選挙運動は離島振興や地域のPRも兼ねているんです」と語る進次郎氏。歓迎の大漁旗は答志島の若手の漁民らが15人がかりで用意したという(撮影/編集部・本田修一)
「選挙運動は離島振興や地域のPRも兼ねているんです」と語る進次郎氏。歓迎の大漁旗は答志島の若手の漁民らが15人がかりで用意したという(撮影/編集部・本田修一)
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「進ちゃんと握手した!」と思わず笑顔(撮影/編集部・本田修一)
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色紙には座右の銘「有志雄途」とサイン(撮影/編集部・本田修一)
色紙には座右の銘「有志雄途」とサイン(撮影/編集部・本田修一)
子どもをだっこ。泣き出す子も(撮影/編集部・本田修一)
子どもをだっこ。泣き出す子も(撮影/編集部・本田修一)

 参院選の最強応援弁士、自民党青年局長の小泉進次郎氏(32)が、とにかく地方を回っている。公示日の4日に山形の飛島に入ったのを皮切りに、愛知の日間賀島(ひまかじま)(6日)、石川の能登島(7日)、琵琶湖の沖島(9日)、島根の隠岐(10日)などあちこちの島を歴訪。連日、拍手喝采を浴びている。

 進次郎氏のスピーチには、いくつかの「法則」がある。第一が「地元言葉」だ。愛知の日間賀島では、

「日間賀のみなさん、まめなかねー。仕事の後でこんきいずらにこんなにようけ来てくれて、おおきんね」

 聴いていた島のお年寄りや主婦からはこんな声が。

「日間賀の言葉で始めたのは、さすが。演説の中身はよく覚えてないけど、立派だったわー」

 4月の市長選応援でナゴヤ弁で演説したが惨敗した名古屋や、橋下徹・日本維新の会共同代表の人気が高い近畿では、方言を封印する「柔軟性」もある。

 続く第2の法則が「土地褒め」だ。奈良県橿原(かしはら)市では、こう持ち上げた。

「初代天皇の神武天皇陵がある。もう歴史も歴史のど真ん中」

 しかも、団塊世代が大好きなダジャレを織り込むのが進次郎流。日間賀島では、

「暇かと言われるけど、暇じゃないけど日間賀に来ました!」

 能登島では、

「これからやらなきゃいけないことは、NHKのど自慢じゃなくて小泉進次郎『能登自慢』!」

 昨年末の衆院選では、自身が打ち込んだ高校野球ネタを好んで使っていたが、今回は「土地褒め」に専念しているようだ。前回参院選でも「徳島に着いた瞬間に爆笑しましたよ。機内アナウンスから『阿波おどり空港』。いいネーミング」と遊説先の話題を振っていたが、さらに地元情報が充実している。

 そして第3は「双方向性」。街頭演説の人波に高校生を見つけると、こう声をかけた。

「高校生もこうして暑い中、選挙の演説に足を運んでくれて、本当にそういうのは嬉しい」

 直後に同行スタッフが党青年局のフェイスブックに、「私の演説をずっとメモしながら聞いてくれていた高校生からの激励も嬉しかったです」という進次郎氏の「ひとこと」を掲載。日々の行程は随時リポートし、ネット対策も怠りない。

AERA  2013年7月22日号