4人の子ども全員が東大理IIIに合格した佐藤ママこと佐藤亮子さん。『決定版・受験は母が9割 佐藤ママ流の新入試対策 (朝日新書)』などの著書があり、受験のノウハウを受験生とその親に広く伝えている。週刊朝日での短期集中連載、第8回は「入試まで母娘で『人事』は尽くした」と題してお送りする。
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いよいよ国公立大学の前期試験まであと1週間となりました。入試当日の朝、子どもにどのような言葉をかけようかと悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか。ここはもう、心を込めて「頑張ってね」かな? 私もそのように4人の子どもに声をかけました。息子たちは、何も言わずに片手を「よっ」という感じであげて大学の門の中に入っていきましたよ。
当日の朝、宿泊先のホテルを7時30分に出て地下鉄に乗り、東大前駅で下車。息子たちのときは、弥生キャンパスの門のところにお友達がたくさん集合。ワイワイと学校の教室みたいに楽しそうに話していて、リラックスした様子に私もホッとしました。学校の先生と塾の先生から励ましていただいてみんな一緒に会場に入っていきました。
三男の受験のときには長男と次男が、長女のときには3人の兄たちが門の横に激励に来てくれていました。一緒に暮らしたきょうだいが会場まで来てくれるというのは、これ以上ない応援になったと思います。わが子ながら、きょうだいっていいなと思いました。
実は私、数年ほど前に子どもたちから勧められてポケモンGOを始めています。うわさによるとどうやら東大にはポケモンがたくさん出現するらしいとのこと。受験生の娘と大学に行きながら思わずアプリを開いてみると、いるわいるわという感じでポケモンが! つい必死で捕獲していたら、娘から「今、集めたりする?」と注意されてしまいました。娘は「まったく!」と言いながら私のスマホの画面をのぞきこんでいましたけどね。そんなことをしながら、娘はほとんど緊張した様子も見せずに「じゃあね、頑張ってくるわ」と言ってバイバイと手を振りながら門の中に入っていきました。