日本気象協会の予測によると、今年のスギ花粉が飛び始める時期は全国的にみて早め。飛散量は関東地方から西は少なめで、北は例年並みか多めのようだ。どんな対策をとればいいのだろう。
【写真】世界で初めて花粉症の抗体療法として認められた「ゾレア」
■今年の傾向と対策
花粉症に詳しい千葉大学名誉教授で千葉ろうさい病院院長の岡本美孝さんはこうアドバイスする。
「飛散量にかかわらず重症化する人は別として、一般的に花粉を浴びる量と症状の強さは関連します。飛散量が少ないということは、症状も軽めですむ人が多いと思われます」
花粉症対策の要は、大きく「セルフケア」と「治療」の二つに分かれる。専用のメガネやマスクの装着を始め、洗濯物は外に干さない、窓を開けないといった基本的なケアを怠らないこと。セルフケアや治療の効果を客観的に知りたいという人は、症状の程度などを記録できる無料のアプリ(MASK-air)を活用してみるのもいいだろう。
薬物治療としては現在、第二世代の抗ヒスタミン薬の飲み薬に、必要に応じて目薬や点鼻薬、噴霧薬などを用いるのが一般的だ。
「第二世代の抗ヒスタミン薬は眠気や口が渇くといった副作用が少ないだけでなく、即効性があるので、症状が少し出始めてから使っても間に合います」(岡本さん)
表れる症状に応じて薬を使い分けるのもポイント。鼻水やくしゃみには抗ヒスタミン薬の飲み薬が、鼻づまりにはステロイドの噴霧薬が使われる。血管収縮薬の噴霧薬も有効だが、使いすぎると副作用による鼻炎が起こり、鼻がかえってつまるので、注意が必要だ。
「最近では、鼻づまりにはPAF(パフ)という物質が関係していることが知られていて、それを抑える『抗パフ成分』が含まれる抗ヒスタミン薬も登場しています。鼻づまりがとくに強い人は、このタイプの抗ヒスタミン薬にステロイド噴霧薬を併用するのもよいかもしれません」(同)
■目の花粉症対策
花粉症の人の中には鼻よりも目のかゆみやゴロゴロ感などの症状のほうがつらいという人もいるだろう。目の花粉症のことを「アレルギー性結膜炎」という。目のアレルギーに詳しい帝京大学医学部附属病院眼科准教授の三村達哉さんは、