なんかこう、せっかくトリセツまで持って過去に行ったのに、もうちょいうまく立ち回れないのか。そして「未来から来ました」なんてドラえもん男の言い分をなぜみんな信じるのか。

 そんなイライラ問題も、肉体派親子・鈴木亮平(わりと毎週脱ぐ)と竹内涼真のガタイを見てると「こまけぇことはいいんだよ!」て気になるからアラ不思議。村人たちは誰もがあやしげで「あやしい」の大渋滞なんだけど、どうやらドラマと原作漫画とでは犯人が違うらしい。

「テセウスの船」とは、パラドックスの意。英雄テセウスの船を後世に残そうとした民たち。しかし朽ちた部品をどんどん新品に取り換えた船、それは、はたして最初の船と同じものと言えるのだろうか?

 まさにあれこれ手を加えたドラマが、元の「テセウスの船」と言えるかどうか。これがまさしくパラドックスドラマなのだ。

週刊朝日  2020年2月21日号

著者プロフィールを見る
カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など。

カトリーヌあやこの記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
「スッキリ」と「防災」を同時にかなえる!今日から始める「片付け」のアイデア