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後藤久美子が24年ぶりに“帰ってきた”。「男はつらいよ お帰り 寅さん」に出演。車寅次郎のおい、満男の初恋の相手として知られるが、そのみずみずしい魅力は今も変わらない。第50作の深い思いを打ち明けた。
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──1995年公開の第48作「寅次郎紅の花」以来、24年ぶりの俳優業復帰です。寅さんのおい満男(吉岡秀隆)の初恋の人を今回も演じています。
そんなに経ったんだ、という気はしませんでした。(スタッフや共演者と)2、3年会ってなかったかな、という感じです。
その間、私の人生もスピーディーに過ぎていき、子育てで忙しくて無理もしてきたから、何て言ったらいいのかな、そんなに時間が経った気がしないんです。でも確実に時間は経っているんです。娘はもう23歳です。
まあ、温かみのある山田組にすんなり戻ったという感じかな。吉岡君がいてくれたことが大きいですね。
──たしかに吉岡さんがいない中での撮影というのは考えられません。それで、山田洋次監督からは出演依頼の手紙がスイスの自宅に届いたそうですね。
引き受ける、断るなどと考慮する権利すら私にはない、と思いました。
その前に電話ではお話をしていて、軽くですけど(映画に関する)話も聞いていたのです。監督は淡々と述べて「……というわけですから。久美子ちゃん。良いお返事を期待してますよ」という感じで、「ノーとは言わせない」みたいな言い方でした。
「えええ! 本当!?」と思い、私がまず行動に移したのが吉岡君に電話することだったんです。
「大変大変だ。監督がこんなこと言ってる!」と。そのあとですよ、お手紙が届いたのは。
──吉岡さんはどんな反応だったんですか。
それはここでは言えません。それは私たち2人が墓場まで持っていく、秘密の会話です。
──そうですよね(笑)。それで、監督からの手紙が届いたのは電話からどれくらい経ってからだったのでしょうか。
3、4カ月してからでしょうか。