参加した方に話を聞いたのだが、自民党本部には、女性トイレがあまりに少なかったことに驚いたという。男性トイレがズラーと並ぶ隣に、狭く小さい女性用個室が一つだけ。それが自民党の政治状況を表していると思ったと、話してくれた。そういう世界で、この国の女性政治家は仕事をしているのだ。
自民党の女性議員には実は、シングルマザーが多い。社会の無理解に泣きながら子育てするような時間、当事者ならばすぐに理解できる。今回、党派を超えた女性たちのグループが立ち上がり、女性議員が自民党内で革命を起こした。「家族の形を変える」とか「女性差別撤廃」とかそういう自民党らしくないことをしたわけではなく、あくまでも子どもを中心に考えたときに、不公平を是正する必要がある、という点に立った。それでもこれは大きな一歩だ。
姑息な安倍政権への期待はない。それでも女性が声をあげることがこのように社会を動かすことがある。そのような未来に期待したい。
※週刊朝日 2019年12月27日号