MADONNA
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 1982年のデビュー以来、音楽界の女王として君臨するマドンナ。現在14作目のアルバム「マダムX」を引っさげ世界ツアー中だ。アメリカでのツアーは年内で終了し、新年にはポルトガルを皮切りにヨーロッパに足を延ばす。リスボンでの生活、音楽について自身の思いを語った。

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*  *  *

──新作アルバムの「マダムX」というタイトルの意味を教えてください。

「ニューヨークでダンスの恩師、マーサ・グラハム先生に頂いたニックネームなの。私がまだニューヨークに引っ越して間もないころのことで、自分のアイデンティティーを模索していたの。あの年齢なら誰もがそうであるように。若いときの私は反抗的、反権威的だったから、他の女生徒とは全然違う服装で学校に通っていた。ヘアスタイルをしょっちゅう変え、化粧が禁止だったから化粧したり。レオタードにわざと穴をあけたりもした。それで先生に目を付けられ、よく注意されたの。最終的には教務室に呼ばれ、校則に従わないなら退学してもらうと宣言されたの。そのとき、“あなたは学校に来るたびに全く別人のようで、誰かわからない。まるで諜報部員のようね。あなたのことをマダムXと呼ぶわ”とグラハム先生は言ったの」

──アルバムのコンセプトを教えてください。

「マダムXは諜報部員で、アイデンティティーを変えながら世界を旅するという想定よ。自由のために闘い暗黒の世界に光をともすの。現在の社会を見て様々な疑問を投げかけている。その疑問は、文明の崩壊や名声への執着、拳銃規制の必要性、権力の定義、型にはまらない思考などについて向けられているの」

──例えばデヴィッド・ボウイが自らをキャラクターに変身させアルバムを作ったりしました。マダムXというのはそれに似たようなコンセプトなのでしょうか。

「長いキャリアを通して、私は変化し続けてきた。洋服や髪の色を変えるというのは、私にとっては新しいことではない。その意味では、自分自身の新しい表現方法を模索し、発見するという、これまでやってきたことの続きでしかない。デヴィッド・ボウイも同様ではないかと思う。彼のことを心から尊敬している。彼は常に外見を変え、アラジン・セインからシン・ホワイト・デュークに至るまで様々に変身した。と同時に、常に彼の本質が変わることなく存在した。ボウイの核にあったのは、ソウルフルでインテリジェントな人間だったから」

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