80年代、筑波大医学部に通った医師の早乙女智子さんは、入学後すぐの授業で「今年は、女子が多いなー」と教授に露骨に嫌な顔で言われたことを今でも悔しそうに話す。「多くの大学で女子は入試で差別され、大学入っても差別され、医師になっても『だから女は』と言われ続ける。もうこんなことは止めたい」と、訴訟をおこす大学生を今、支援してくれている。
文科省……ほかにもいろいろ忙しいのだろうが、今年の受験の調査もきっちりしてほしい。何しろ日本は00年代から、国家試験合格者の女性割合が3割前後で止まったままだ。大学側が入り口で女性を排除していたことが東医の事件で明らかになったのだ。終われない当事者はまだたくさんいる。共通しているのは、事実を知りたいという切実さだ。声をあげるのを躊躇(ちゅうちょ)していた人も、「もしかしたら」という人は、医大差別に関する当事者と支援者の窓口に連絡してほしい。
まだまだ終わらせるわけにはいかないのだ。
※週刊朝日 2019年11月22日号