萩生田文科相 (c)朝日新聞社
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河井案里氏 (c)朝日新聞社
河井案里氏 (c)朝日新聞社

 9月の内閣改造で、菅義偉官房長官が推薦して大臣にしたとされる菅原一秀経済産業相と河井克行法務相が、週刊文春の報道をきっかけに辞任した。一連の動きは自民党内での「菅潰し」なのか?

【写真】河井案里氏

「特に菅グループが狙われたわけではないです。結果として2人がダメだったというだけ。菅グループを見渡しても人材がいないんですよ。他に入閣適齢期がいなくて、菅さんがこの2人を押し込んだらこうなった」(政治部記者)

 河井氏については、7月の参院選挙(広島選挙区)で、妻の案里氏陣営がウグイス嬢に対し、法律で定められている一日につき上限1万5千円を上回る3万円の報酬を支払っていたのではないかという疑惑が持ち上がっている。

 広島県の地元議員によると、この話は選挙直後から出ていたという。

「ウグイスは地元の人で、あそこの陣営はいくら出したとか噂(うわさ)になる。案里氏の事務所は3万円だったという話は広がっていた。事実、ウグイスは『案里氏のところは景気がいい』と言っていた」

 選挙後、案里氏はこの議員のところにあいさつにきたという。

「いかにも安倍さんのお墨付きで通ったという横柄な態度だったね。やっぱり夫婦で衆参の席をとるというのはハレーションがあるよ。おまけに夫はすぐに大臣。官邸の威光をかさに着て、との批判は強かったからね」

 河井氏と安倍首相の関係も親密だったようだ。

「河井さんは菅さんの側近と言われていますが、本当は安倍首相の『お友達』でもあるんです。2012年の総裁選の時、自民党の派閥横断勉強会『きさらぎ会』で鳩山邦夫元総務相を説得し、安倍支持でまとめたのが河井さんでした。それ以来、安倍首相は河井さんのことを大事にしてきたんです」(前出の政治部記者)

 河井氏は安倍首相の補佐官を務めた後、自民党の党総裁外交特別補佐という初めてできたポストに就き、安倍首相を支えた。

 それにしては、あっさりと河井氏を辞めさせたのはなぜなのか。内閣官房関係者はこう言う。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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