一方、森都議は、IOCの「アスリートファースト」という主張についても疑問としている。

 6日までドーハで行われた陸上の世界選手権では、マラソンと競歩を夜中に行ったにもかかわらず、棄権者が続出した。このため、IOC内では東京での両種目の開催について討議し、変更を決めたという。

 森都議は、同都議団が検証した「暑さ」の検証結果から、

「東京では今年8月のマラソングランドチャンピォンシップ(MGC)を成功させました。暑さ対策を言うのであれば、早朝開催がよいのでは。東京で午前5時台にスタートするのであれば、札幌の8時台と同じくらいで差がない」

 と強調する。早朝開催にしない理由については、

「IOCは中継のヘリコプターが飛ばせないから早朝はできないなどと言っている。IOCは、アスリートファーストを掲げているが、単なるショービジネスとしてしか考えていないのではないか。アスリートファーストではなく、スポンサーファーストの金権主義だ」

 として厳しく批判している。

 場所が札幌になった背景については、こうも語った。

「今回、札幌に決め打ちとなった背景には橋本聖子五輪相と森会長の存在があったからではないでしょうか。札幌は橋本さんの地盤ですし、政治の力が見え隠れします」

 3日間の調整委員会でどんな結末が出てくるのだろうか。

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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