「カード会社などから求められる手数料も重荷です。ポイント還元制度の期間中は手数料に上限が設けられるとはいえ、終了後に上がることも考えられます。キャッシュレス決済の導入に慎重にならざるを得ないでしょう」
新しいレジや決済端末の導入には数百万円かかることも。もともと競争の激しい中小企業は、増税分を価格に転嫁しにくく、経営の先行きは見通せない。長年続いた店を9月末で閉じた事例も相次いでいる。
このように、庶民や中小事業者にはつらいことばかり。そもそも物を買えば1割も税金を取られることをずっと我慢できるのか。財政健全化や社会保障制度のために必要だというが、お金の使い道や税金の取り方は公平なのか。いつまでも黙っているだけでは、生き残ることはできない。
(本誌・池田正史、浅井秀樹、亀井洋志、多田敏男)
※週刊朝日 2019年10月18日号より抜粋