──王道は、環境からの恩恵が大きいが、いくら王道を歩みたいと思っても、誰でも選択できるとは限りません。例えば地方在住の場合、中高一貫校も、そこに入るための塾もありません。

 そのような場合は、「ないものは仕方ない!」と割り切ることですね。王道がないなら、合格への道は親がつくればいいのです。ただ、やみくもに走っていては、東大へはたどり着きません。子どもが正しく努力するために、親が別の道を整備してあげましょう。

 幸い、今の時代はどこにいても情報を集めることができます。東大に入るためには、何をどれくらいやればいいのか、具体的な情報をまず親が集めて整理しましょう。

「東大に入ってほしい」と親がただ思っているだけでは、入れません。まだ目の前の道には霧がかかり、地面はでこぼこで草がぼうぼうと生い茂っている状態です。情報を集めて分析することは、その道の草を刈り邪魔な石を取り除いて、子どもが歩きやすい道に整備することなのです。すると目の前の霧も晴れ、東大までの道のりが次第に見えてきます。

──情報収集の方法は?

 まずは過去問です。過去問集では頻出分野などを分析していますから、親も東大入試の傾向を知っておくことが大切です。また、中学生のときに東大受験生が解く問題集を一冊買ってみましょう。すぐに解けなくても、レベルを知ることが合格への第一歩となります。

 予備校などが出している合格体験記もおススメです。勉強方法、部活をやめる時期、通った塾、使った参考書・問題集など、具体的で細かい情報が詰まっています。私も100人以上の合格体験記を読んで、参考になるところには付箋を貼りました。

 合格体験記を読んでいるうちに「このくらいやらなくては合格できない」ということがわかり、親が覚悟を決めることができます。それが大事なんですね。また、お子さんに対しても、ただ「頑張りなさい」と言うのではなく、「英語の勉強時間を20分増やして、次の模試ではB判定を目指そう」といった具体的な指示が出せるようになります。

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