朝起きたときや、ニンニクがたっぷり入った料理を食べた後などにやはり気になるのが口臭。日本人の9割が気になっているというデータもあり、見過ごすわけにはいかない。原因に心当たりがある人は、まずは対策をとってみてはいかが。
口臭は原因によって次の四つのタイプにわかれる。
▼誰にでも生じるもので、起床時や空腹時に強くなる「生理的口臭」▼歯周病などの口腔内トラブルや、体の病気によって生じる「病的口臭」▼ニンニクやアルコールを飲食したときに生じる「外因的口臭」▼ストレスや精神的に不安定で、口が臭うと思い込んでいる「心因的口臭」
「最も問題になるのは病的口臭で、原因の9割は口の中にあります」と説明するのは、若林歯科医院(東京都渋谷区)院長で歯科医師の若林健史さん。
病的口臭の元は、歯周病菌が食べカスに含まれるタンパク質を分解したときに作られる成分「揮発性硫黄化合物」。卵が腐った臭いのような硫化水素や、タマネギが腐った臭いのようなメチルメルカプタン、生ゴミ臭のようなジメチルサルファイドなどがある。これらが混じると、えも言われぬ臭いを醸し出す。
「口臭を減らすには、まずは歯周病をしっかり治すこと。そして、歯周病予防に取り組むことです。歯周病菌の塊である歯垢や、歯垢が硬くなった歯石の除去は、日々のブラッシングに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。歯周病菌が潜む歯と歯の間をキレイにできます」(若林さん)
定期的な歯科検診によるメンテナンスも重要。一般的には歯周病菌が増殖して悪影響を及ぼすまで3~4カ月かかる。その前にキレイにしたほうがいいというわけだ。
「できれば、その際に歯科衛生士などから磨き残しやすい部分や、その部分に対する磨き方、フロスなどの使い方についてアドバイスをもらいましょう。歯の形は一人ひとり違いますし、磨き方のクセもあって、同じところを磨き残していることが多い。そこをキレイにするためのポイントを聞くことが大事です」(同)