漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり3時間スペシャル2019」(TBS系 9月16日20:00~)をウォッチした。
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1990年に始まった「渡鬼」シリーズ。最近は年1くらいでスペシャル版が放送され、中華料理屋「幸楽」もリニューアルしてすっかりきれいに。
しかし、今回のスペシャルを紹介する、新聞のラテ欄がとんでもなかった。
「五月(泉ピン子)ユーチューバーになる」
ちょっと目が滑って、脳に情報が到達しない。脚本・橋田壽賀子先生94歳。石井ふく子プロデューサー93歳。青山タキ役の野村昭子さん92歳。
ほぼ涅槃(ねはん=ニルヴァーナ)の境地に達しているようなメンバーが集うドラマの最新テーマはユーチューバー。
もちろん物語の中には、「遺言の準備をしないとね」「老人ホームはダメなのよ」「病院に入ると胃に管入れられちゃう」「自然に平穏に死にたい」などという、壽賀子の心の声がグイグイちりばめられている。
しかし老いに関する話題と同じくらいの熱量で語られるのだ、スマホ礼賛が。
近頃何かと若い者たちから「休んでください」と言われ、すっかり意気消沈していた五月が入手したスマホ。これ見よがしにソフトバンクの紙袋を画面中央に置いて、彼女は言う。