以来、五十有余年、これは自慢だが、わたしがあがった役満は、四暗刻(スーアンコ)と国士無双と大三元がそれぞれ約百回、字一色(ツーイーソ)と四喜和(スーシーホー)が約十回(ちなみに、大三元四暗刻と大三元字一色のダブル役満も数回ある)、九蓮宝燈(純正ではない)が二回、地和(チーホー)が二回と、珍しいところでは清老頭(チンロートー)が一回ある。清老頭は四人打ちで、雀荘のマスターが日付と名前を壁に貼りだしてくれた。
そうして、極めつきの役満が、学生のときに達成した八連荘(パーレンチャン)で、これは八回つづけてあがりつづけること。当時はハコ割りの“飛び”がなかったから可能だった。
そう、わたしが八連荘をあがったときは、よめはんが後ろで見ていた。「こんなにヒキの強い男はほかにおらへん」と、よめはんはいたく感動し、わたしをものにすることを決意したと、遠いむかしに聞いたような憶えがある。
※週刊朝日 2019年9月27日号