一方、共和党のトランプ大統領が「CO2温暖化説を信じない」と発言してパリ協定から脱退したので、民主党の太鼓持ちで、トランプ嫌いの俳優レオナルド・ディカプリオらが、「カリフォルニア州の山火事は温暖化が原因だ。トランプが悪い」と騒ぎ出し、政治問題にしていることが、そもそもの騒動の原因であった。
最近のアメリカで山火事が増え、大災害化していると騒ぐ人間が多いが、これはまったくの嘘である。1988年のイエローストーンの山火事は焼失面積158万エーカーを記録して温暖化のせいだと言われたが、それよりはるか昔の1910年の山火事(Great Idaho wildfire)ではその2倍の300万エーカーが焼失している。アメリカ合衆国火災局の報告書によれば、19世紀の1894年の山火事(Wisconsin wildfire)で数百万エーカー、1871年の山火事(Peshtigo wildfire)で378万エーカーと、はるかに大規模の山火事が頻発した。ところが、大騒ぎした2018年11月のカリフォルニア州の山火事は、それらの数十分の1のわずか15万4000エーカーである(鎮火後のロイター・ニュースによる)。
私がCO2温暖化説を否定するのは、「CO2が気候変動に無関係である」ことがはっきりしているので、先進国で使用されている“最新の石炭火力”が発電法としてコストが最も安く、利用を推奨できるからである。現在のヨーロッパ、アメリカなど先進国の石炭火力発電は、中国やインドのように粉塵(ふんじん)巻きあげ、大気を汚染する老朽化した石炭火力発電とはまるで違うのである。日本では横浜市磯子(いそご)にあるJパワー(電源開発)の石炭火力発電所のように、煙も出ないほど世界一クリーンになっていることを、ほとんどの日本人が知らずに、石炭火力に昔のような偏見を持っている。横浜を訪ねてごらんなさい。ここまでクリーンになった高度な石炭の燃焼技術は広く活用するべきである。