帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
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※写真はイメージです (c)朝日新聞社
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 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「自分の身体を知ろう」。

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「弁証」【ポイント】
(1)己の身体のことを知って生き生きと暮らす
(2)まずは自分の体質を知ることから始める
(3)何が自分にとって自然なのかがわかる

 中国は呉の孫武が著したとされる兵法書『孫子』に、「彼を知り己を知れば、百戦殆(あや)うからず」とあります。名言ですね。兵法の基本中の基本だと思いますが、この「己を知る」ことが難しいのです。

 ナイス・エイジングを実践されている方をみると、自分の身体のことをよく知っていらっしゃいます。身体が強い、弱いにかかわらず己の身体のことを知っている人は、日々を生き生きと暮らすことができます。

 むしろ、身体の丈夫な人の方が、自分の身体の声に耳を傾けずに無理をしてしまうことが多いのではないでしょうか。その無理は長くは続きません。

 といっても自分の身体の声に気づくのは、そう簡単ではないのです。過敏に心配すればいいというものではありませんから。

 まずは自分の体質を知ることから始めるのがいいかもしれません。それには中医学の弁証という方法が役に立ちます。証とは体質の歪みの方向のことで、それを弁証で明らかにします。

 この方法では体質をとらえるために様々な対立する条件を考えます。一番基本的なものは「熱」と「寒」です。体質を熱タイプと寒タイプに分類するのです。あつがりの人は熱タイプに、寒がりの人は寒タイプに分類されます。

 そのほか基本的な条件として「実」と「虚」、「燥」と「湿」があります。

 実タイプは気が滞りがちな(頭痛、肩こり、高血圧、便秘などがある)人。虚タイプは気が不足した(だるい、低血圧、すぐに下痢をするなど、とにかく元気がない)人となります。

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