食事は和食か洋食か選べて、部屋から海が見渡せて。終のすみかへの思いを膨らませている、あなた。全国に約1万3千施設がある有料老人ホームは多種多様、自分に合ったホームはどうやったら出合えるの? 入居平均年齢84歳、貯蓄300万円でも100歳まで過ごせるホームもあるようで。
住宅型に介護付き、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)……。高齢者のための住宅の種類は、分け方によっては10種類近くになることもある。所轄官庁も、有料老人ホームが厚生労働省、サ高住は厚労省と国土交通省など、わかりにくい仕組みとなっている。
例えば、同じ「サ高住」でも、サービスは安否確認と生活相談だけという一般の賃貸住宅に近い施設もあれば、有料老人ホームのような介護サービスが付いた施設もある。分類だけ見ても、自分に合った施設なのか、さっぱりわからないことがほとんどだ。
「○○型、○○付きなどの分類に惑わされることなく、最終的には見学して、自分の希望する条件に合った施設であるかを自分の目で確認することが、老人ホーム選びの鉄則です」
「あいらいふ入居相談室」で、約50人の相談員の教育をおこなう人材育成室室長の菊池龍志さんはそう話す。
とはいえ有料老人ホームだけでも全国に約1万3千施設もある。初心者は、どこから当たったらいいのか、見当がつかないことも多いだろう。そこで入居後に後悔することのないように、老人ホームの選び方の基本を、希望する条件別に紹介していく。
まず施設を絞り込むために確認したいのが、「譲れない条件」のチェックシート(下記)だ。介護に詳しいジャーナリストの太田差惠子さんが解説する。
「高いお金を出しても、入居するご本人の希望条件に合わない施設なら、それはいい施設とはいえません。ご本人やご家族が譲れない条件にそれぞれチェックを入れ、優先度の高いものから◎○などをつける。そんなすりあわせをおこなってから、見学に行くことをおすすめしています」