カトリーヌあやこさん(左)と山田美保子さん(撮影/写真部・掛祥葉子)
カトリーヌあやこさん(左)と山田美保子さん(撮影/写真部・掛祥葉子)
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「ルパンの娘」(左、フジテレビ提供)と「凪のお暇」(右、TBS提供)の場面カット
「ルパンの娘」(左、フジテレビ提供)と「凪のお暇」(右、TBS提供)の場面カット
今クールの主なドラマ(本文に出てきた作品のみ) (週刊朝日2019年8月30日号より)
今クールの主なドラマ(本文に出てきた作品のみ) (週刊朝日2019年8月30日号より)

 後半から見ても盛り上がる!! 本誌連載でおなじみの漫画家でTVウォッチャーのカトリーヌあやこさんと放送作家の山田美保子さんに夏ドラマを“深読み・裏読み”してもらった。

【あなたはどれにハマってる?今クールの主なドラマ一覧はこちら】

*  *  *

──ドラマといえば「月9」。王道ラブストーリーが定番だったが、今クールは大きく変化した。

カトリーヌあやこさん(以下カトリーヌ):山口智子が23年ぶりに月9に登場しましたよね。でも、90年代の女が、全盛期の勢いのままで来るので、視聴者はどう寄り添っていいのか戸惑ってしまう……。

山田美保子さん(以下山田):そのままね。いつも完璧に冷凍保存された状態で出てくる(笑)。でも、この山口さんが出ている「監察医 朝顔」(フジテレビ系)は、月9なのに浮かれていない。夏ドラマで、月9でこれっていうのは驚いた。以前は月9の夏ドラといえば、イケメンが出てくるベタな恋愛作品が多かったのに! 反町隆史と竹野内豊のダブル主演の「ビーチボーイズ」(1997年放送)みたいな。例が古い(笑)?

カトリーヌ:対して、「朝顔」は大人が見るべきドラマです。監察医の物語でありながら、上野樹里演じる主人公と時任三郎演じる父親の親子のストーリーもにじませている。日曜劇場みたいです。フジの月9がTBSの日曜9時のようになってきた。

山田:東日本大震災にも触れていて。胸が痛いけれども、描き方が深い。

カトリーヌ:いい意味で月9のイメージを裏切ってくれたドラマ。きちんと作られている。

山田:月9に限らず、純粋な恋愛ドラマは少なくなりましたよね。胸キュンするような若い子向けの作品は、邦画にとって代わられているのかも。

カトリーヌ:「イケメンラブ」なストーリーは、2時間くらいで見終わりたいのかも。

山田:そうね。1クールもたないんだ。

──ドラマはその時代の空気や社会のようすを反映する。人物の描き方、演じ方で見どころは。

カトリーヌ:ドラマに出てくる男が総じてやさしい。やさしくないのは高橋一生くらい(笑)。

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