後半から見ても盛り上がる!! 本誌連載でおなじみの漫画家でTVウォッチャーのカトリーヌあやこさんと放送作家の山田美保子さんに夏ドラマを“深読み・裏読み”してもらった。
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──ドラマといえば「月9」。王道ラブストーリーが定番だったが、今クールは大きく変化した。
カトリーヌあやこさん(以下カトリーヌ):山口智子が23年ぶりに月9に登場しましたよね。でも、90年代の女が、全盛期の勢いのままで来るので、視聴者はどう寄り添っていいのか戸惑ってしまう……。
山田美保子さん(以下山田):そのままね。いつも完璧に冷凍保存された状態で出てくる(笑)。でも、この山口さんが出ている「監察医 朝顔」(フジテレビ系)は、月9なのに浮かれていない。夏ドラマで、月9でこれっていうのは驚いた。以前は月9の夏ドラといえば、イケメンが出てくるベタな恋愛作品が多かったのに! 反町隆史と竹野内豊のダブル主演の「ビーチボーイズ」(1997年放送)みたいな。例が古い(笑)?
カトリーヌ:対して、「朝顔」は大人が見るべきドラマです。監察医の物語でありながら、上野樹里演じる主人公と時任三郎演じる父親の親子のストーリーもにじませている。日曜劇場みたいです。フジの月9がTBSの日曜9時のようになってきた。
山田:東日本大震災にも触れていて。胸が痛いけれども、描き方が深い。
カトリーヌ:いい意味で月9のイメージを裏切ってくれたドラマ。きちんと作られている。
山田:月9に限らず、純粋な恋愛ドラマは少なくなりましたよね。胸キュンするような若い子向けの作品は、邦画にとって代わられているのかも。
カトリーヌ:「イケメンラブ」なストーリーは、2時間くらいで見終わりたいのかも。
山田:そうね。1クールもたないんだ。
──ドラマはその時代の空気や社会のようすを反映する。人物の描き方、演じ方で見どころは。
カトリーヌ:ドラマに出てくる男が総じてやさしい。やさしくないのは高橋一生くらい(笑)。