漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ルパンの娘」(フジテレビ系 木曜22:00~)をウォッチした。
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「カズくん、どうしてあなたは警察官なの?」
ベランダでジュリエットばりに嘆く深キョン。大泥棒一家Lの一族の娘・華(深田恭子)と、代々警察一家の息子・和馬(瀬戸康史)の恋物語だ。
冒頭のタイトルロールから、全身ピタピタローズピンクの泥棒衣装を着た深キョンが、「007」シリーズのボンドガールのごとくエロいポーズを連発する。
このエロ衣装を深キョンに着せたい!という、ものすごくシンプルで潔い意図で制作されたとしか思えないこのドラマ。
しかし深キョン、36歳。その佇(たたず)まいに、まったくアラフォー感がない。もはや年齢を超越した、「深キョン」という生き物だ。
今年の1月期にやっていたドラマ「初めて恋をした日に読む話」では、ピンク色に髪を染めた16歳の男子高校生と恋におちる役。違和感なし。
エリート商社マンから「つき合おう」とバックハグされ、「うん、飲みにならいつでもつき合うよ(ニッコリ)」と、小首かしげて天然ボケ発言をする。全然違和感なし。
とにかく「おい、ふざけんな、このババァ」と、なりがちなシチュエーションを、なんだったら「アラ素敵」レベルに成立させる深キョン、恐るべし。なんせリアリティーから離れれば離れるほど、深キョンは輝くのだ。