火が消えた後の京アニ(撮影・今西憲之)
火が消えた後の京アニ(撮影・今西憲之)
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 33人の犠牲者が出たアニメ制作会社「京都アニメーション」(京アニ)の放火事件。火をつけたとみられ、身柄を確保された男は、関東地方在住の41歳の男だった。所持品とされるリュックなどには、刃物が数本入っていたという。

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「10時半過ぎに、急にドーンという破裂音がして、びっくりして外をみたら煙があがり、火もみえた。近くに行くと、何人かの人が飛び出してきて路上に倒れこみ、動けなくなった人もいた。周辺の人がホースで水をかけていた」

 火災当時の様子について、近所の女性はそう話し、続けた。

「中から出てきた女性は『男が急に入ってきて、バケツで油のようなものをかけてきた』『男が火をつけて、火事が起こった』『まだ中にたくさんの人がいるので、助けて』と興奮しながら話していた。しばらくして、2階から飛び降りたりする人もいた。飛びおりて、必死でビルから離れて、なんとか逃げようとしていたけど、火の手が激しくて、近寄れずなかなか助けにいけなかった」

 その後、消防車が来て消火活動を始めたが、なかなか火の手はおさまらず、周囲には焼け焦げたにおいが充満し、体調不良を訴える住民もいたという。

「大やけどした人が号泣したり、放心状態になってたり、意識がない人に大声で呼びかけたり、もう地獄を見ているのかと思った」(先の女性)

 身柄を確保された男が、京アニで犯行に及ぶまでの様子について、ある捜査関係者はこう話す。

「男は、京アニから800mほど離れたガソリンスタンドで携行缶2個にガソリンを入れ、台車を押しながら京アニに向かった。入り口近くで、缶からバケツのようなものに移し替えて、京アニの入り口ドアを開けてすぐにガソリンをまき、着火ライターのようなもので火を放った。何か大声で叫びながら、火をつけたとの話もある」

 火をつけた後に逃げた男を、京アニの関係者が追いかけ、駆けつけた警官に「犯人だ、火をつけた」などと伝え、犯行がわかったという。

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