「男の持ち物は、携行缶の他に黒いリュック、カバンなど。リュックやかばんには刃物数本が入っており、先に数人を刺してから火をつけたとみられる」(先の捜査関係者)

 犯行直後の男の様子について、ある目撃者はこう話す。

「火事だと大騒ぎなっていて、外に出ると赤いTシャツで顔がススだらけの男が道に横たわっていた。火事でやけどしたのかとホースで水をかけたが、何も言葉を発していなかった。シャツのおなか付近からは入れ墨が見えていた。髪はチリチリに焼けて、ズボン、Tシャツも焼けこげていた。両足の裏側も真っ赤になりやけどしていた」

 別の目撃者はこう話す。

「男は道に寝そべり、ひざを曲げたまま立てなかった。警官や救急の人が抱えるように担架に乗せて運んでいった。意識はあったと思うが、十分な受け答えができているような感じでもなかった」。

 男はやけどを負っており、意識不明との情報もある。動機などについては詳しくはわかっていないが、警察関係者はこう話す。

「身柄を拘束された男は、京アニの社員でも関係者でも、出入り業者でもない。男は2012年に茨城県内でコンビニに包丁を持って強盗に入り、逮捕され、服役。出所後は埼玉県に住んでいたようだ。いきなり京アニに入ってきて大声で叫び、灯油のようなものをまいて火をつけた。男のスボンに火がついて、かなりやけどしている。病院に搬送したが顔は黒く、興奮状態だった。犯行は認めていて、恨みがあると言っているが、詳しくはわからない」

 アニメ業界では、「ストーリーやキャラクターが似ている!」などと、言いがかりのようなことを言ってくるケースもよくあるという。

京アニにも、よく脅迫めいたメールや電話があったといい、同社のサイトの掲示板にも、社員を殺すといった趣旨の書き込みがあったようだ。警察は、男が書き込んだものなのかどうか調べている。(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事

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