漫画『ネコちゃんのイヌネコ終活塾』(WAVE出版)で、ペットの葬儀や介護、ペットロスなど、ペットの「終活」について描いた漫画家の卵山玉子さんが、安心な業者を選ぶ三つのポイントを教えてくれた。

「一つ目は、ペット葬儀の協会に加盟していること。協会名が架空のものである可能性もあるので、その業者が所属している協会の活動履歴も調べることが大切です。二つ目は、口コミサイトや実際に利用した人から情報を集めて比較し、何件か候補を見つけておくこと。三つ目は、実際に施設を見学させてもらえるか。電話対応などに違和感がある場合は避けたほうが無難」

 卵山さんは、作品を描くための取材を通じて「ペットや自分のためにも、ペットが元気なうちに老後や死後の準備を進めておいたほうがいい」と感じたそうだ。

「愛するペットが亡くなれば、だれしも気が動転します。そのときになって初めて葬儀会社を手配しようと思っても、冷静な判断ができず不本意な結果になってしまうことも。火葬は移動火葬車に来てもらうのか、お寺で行うのかなど、具体的に考えておいたほうが、後々後悔は少ないと思います。遺骨を埋葬するか、手元で供養するかは、火葬後にゆっくり考えてもいい」

 また、死後にやるべきことを具体的にしておくことで、ペットロスを緩和する効果もあると言う。

「取材を進めるうちに、ペットの葬儀は『飼い主の気持ちの整理にもなる』と感じました。葬儀の仕方に決まりごとはありません。だから飼い主が納得する方法で供養してあげるのがいちばんだと思います」

 実際にペットの死に立ち会うと、あれもこれもしてあげれば良かったと、後悔の念が湧いてくる人も多い。

「だからこそ、生前に見送り方をじっくりと考えておいたほうがいい。『最期まで丁寧に見送れて良かった』という実感が、ペットを失った悲しみから立ち直る糸口にもなると思います」

 愛する家族だからこそ、別れ方もきちんと考えたい。

週刊朝日  2019年6月28日号