クラスメートのひとりひとりを訪ね、「ぼくの好きな先生」のモデルになった美術の小林晴雄先生にも話を伺った。その先生も昨年亡くなった。
共同通信から清志郎の訃報を入電したのは10年前、土曜深夜だった。速報は報道のアナウンサーが担当するが、咄嗟(とっさ)の判断で生放送中だった桑田佳祐さんにお願いした。桑田さんはお渡ししたニュース原稿を一言一句、ゆっくり丁寧に読んでくれた。平成から令和になり、清志郎が生きていたらどんな曲を書くのだろう。
松見坂のロックバーで聴いた清志郎の曲は「雨あがりの夜空に」。
♪おまえについてるラジオ感度サイコー/すぐにいい音させてどこまでも飛んでく♪
「雨はすっかり上がったね」とDJが言い、僕は傘を預けて店を出た。
※週刊朝日 2019年5月24日号