プロを見ても、ロッテ・藤原、広島・小園、中日・根尾らレベルの高い高卒ルーキーがそろった。高校生のレベルがどんどんプロに近づいている印象だ。指導者が全国各地に散らばり、どんな高校もウェートトレーニングを導入している。さらに、今は動画という教科書がある。全国どこにいても、プロの選手の技術を目の当たりにできる。平成に入ったころは10年に1人の逸材と言われたような才能が、毎年数人出てくる印象だ。投手は150キロが豪速球の基準となっていたが、これからは160キロが基準になる時代がくる。
だからこそ指導者には、自身の固定観念やこれまでの枠に当てはめるような指導は見直してほしいと思う。プロも高校生の指導者も関係ないよね。プロの世界でも、制球難の投手にバランスばかり教えてスケールダウンさせてしまうケースを何人も見ている。それでは、野球全体のレベルアップにはつながらない。大谷翔平という存在が現れ、それに追随する選手が2人、3人と出てきて、それを見た選手がさらに上を目指すようになる。そうなればもっと活性化するはずだ。
佐々木投手という存在に加え、星稜の奥川投手も素晴らしい投手と聞く。そういった選手とともにプレーした同世代はさらに追いつき、追い越そうと努力を重ねる。1980年度生まれの松坂世代、88年度生まれの田中世代もそうだった。今の若い選手の才能が本当にうらやましい。
※週刊朝日 2019年4月26日号