「多めに刷られたため、定番の新橋駅や新宿駅以外でも配っていた。五反田駅や恵比寿駅周辺では、落ち着いて道行く人に行き渡った」(全国紙関係者)

 号外を集めるコレクターにも聞いてみた。新聞の号外を集めた「小林近現代資料文庫」を主宰する、号外研究家で立命館大学大学院生の小林宗之さん(35)は、次のように推測する。

「5月1日の即位における一連の儀式のスケジュールを政府が発表すれば、タイミングの予測がつくかも」

 例えば、政府が新元号を発表する会見は11時半からと事前に発表されたので、当日はその時刻には大阪駅で待機していたという。ちなみに、小林さんは、過去の朝日新聞が特報した「大正」を報じる号外や、毎日新聞の前身の東京日日新聞が大正天皇の崩御に伴う新元号を「光文」と誤って報じた号外も保管している。

 ところで、新元号発表の号外を手に入れた人は、紙面をよく見てほしい。全国25紙の号外には「YAHOO! JAPAN」の文字。広告が入っているのだ。

「これまで、広告を入れる号外というのはありえなかった。これは新しいビジネスの形」(全国紙関係者)

 ネット全盛期だからこそ、再注目される号外。令和のビッグイベント東京五輪に向けて、この動きは加速するのか。(本誌・岩下明日香)

週刊朝日  2019年4月19日号

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