結婚って合う人と合わない人がいるでしょう。ストリップ劇場で仕事していたころ、踊り子さんたちの“ヒモ”といつも顔を合わせてたのね。地方の温泉の劇場に出張に行くと、狭い楽屋に彼らがいる。いろいろもめ事とかも起こるわけ。そういうのを15年近く見てきたから「恋愛感情なんて、いいかげんなものだ」って思っちゃうんだよね。

――経験が積み重なって、芸風になる。だから、生きているうちはまだまだ“進化する”と信じている。

 理想は100歳でシャキッと舞台に立っていること。そうしたら、おもしろいだろうなあ。

 いまマジックを、お年寄りにやってもらいたいなあと思っているんですよ。できるようになると自分も楽しめるし、相手を楽しませてあげることができる。だからこれから老人ホームとかで、マジックをやってみせたり、教えたりしたいなあって。それもひとつの貢献かなあって、思うんです。

(聞き手・中村千晶)

週刊朝日  2019年4月12日号

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