久保は既に飛び級でU-22代表に参加しているが、フル代表の参戦も見えてくる。先日、フル代表と東京五輪代表を指揮を兼ねる森保一監督は、6月の親善試合で久保を代表に召集する可能性を示唆した。久保への期待は否応なく高まってきている。

 一方で、久保は今年6月、18歳になったら、FCバルセロナに“戻る”のではないか、との噂も絶えない。名門のFCバルセロナに所属し、久保が世界トップレベルのチームと対戦し、活躍できるチャンスはあるのだろうか。バルセロナの宿敵、レアル・マドリードで働いたことがあるスポーツコンサルタントの酒井浩之さんは、久保の持つアドバンテージが大きいとみる。

「久保選手はスペイン語を既に話すことができる。スペインで活躍するためには、言葉の問題が非常に重要。スペイン語ができることで、監督の指示や意図を理解することができ、監督から求められるプレーを出しやすくなる。言葉の壁がないというのは非常に大きい。さらにバルセロナは、あのチームに根付く独特のスタイルを理解しないと、活躍するのが難しい点にあります。その点、久保選手は下部組織で、バルセロナのサッカースタイルを学んでいることは非常に大きいです」

 また、FCバルセロナの現在のメインスポンサーである楽天など、日本との関係も後押しするのではないかと指摘する。

「コマーシャルの面もある。楽天がついていて、格好のコマーシャル要員にはなります。彼がバルセロナに入ることによって、さらに日本企業が大口小口含めてスポンサーとして名乗り出てくると思います。そういう面も含めて、プレーするチャンスは大いにあります」(酒井さん)

 日本人があのバルセロナでプレーできるかもしれない、とつい期待を持ってしまうが、久保はまだ17歳の少年。過度な期待をかけずに、温かく成長を見守りつつ、そして“日本のメッシ”の見事なプレーぶりをJリーグでもう少し堪能したい。(本誌・大塚淳史)

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