主任ケアマネジャーで、香川県内で居宅介護支援事業所を運営する「ウェルネス香川」代表取締役の壷内令子さんはこう話す。
「面談の際、利用者の状態や要望に応じて要介護認定されるかどうかを見極め、確実に要介護1以上に認定されそうな方(特に寝たきりや歩行困難な方)は暫定でプランを作り、サービスを始めることもあります」
要支援1・2に認定されたら地域包括支援センターでケアプランを作る。作成の際、デイサービスやホームヘルプの回数が制限され、家族の負担が増していることが問題になっている。
「同居の家族がいる場合、家族の分の食事の用意や洗濯、掃除は、基本的に介護保険のサービス外になります。自費を払えば家族の分もしてくれるサービスが地元にあるかどうか、ケアマネにぜひ聞いてください。例えば、コンビニやスーパーでの買い物代行、介護保険外での洗濯やお泊まりデイサービスの利用など、自費で使えるサービスはあります」(壷内さん)
横井さんは「いつまでも自分でトイレに行けるようにするため、訪問リハビリで、立ち上がって壁づたいにトイレまで歩いて自分で用を足すという訓練をやってくれることがあります」と話す。
室内に手すりやスロープをつける必要があれば、福祉用具のレンタルや住宅改修費の支給制度を使おう。据え置き型の手すりなら1カ月数百円、住宅改修は最大20万円分を1~3割負担で利用できる。
介護保険制度は3年に一度改正され、新制度が生まれている。チェックを怠らないようにしたい。特に、15年から始まった介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)を知っておくとよい、と横井さん。
要支援1・2の人らが、デイサービスセンターなどで筋力トレーニングを受けたり、ホームヘルパーらの手助けを受けながら調理や掃除をしたり。サービス内容は市区町村で違うが、従来の「予防給付」と同水準のサービスを提供する国基準相当型と、国の基準を緩和してサービスを提供する独自基準型とがある。独自基準型は、訪問サービスが週1回利用で1300円ほど、通所サービスは1700円ほどになる。
「介護が必要かなと思ったら、地域包括支援センターに行き、要介護認定を申請します。場所もセンターの存在も、知らない人が多いのが実情です。親の住む地域を管轄するセンターを調べましょう」(横井さん)
センターは市区町村に最低一つある、要介護者や家族のよろず相談窓口。自治体のパンフレットをもらい、介護保険外の自治体独自サービスも調べよう。