「あらゆる人智の中で結婚に関する知識が一番遅れている」と、名言を残したのは、19世紀のフランスの文豪オノレ・ド・バルザック。それから200年が過ぎようとしているが、その言葉は色あせない。男たちは「結婚とは何かを知らなかった」と頭を抱えている。
■実家依存体質の妻を必死に説得
「4千万円の新居をローンで購入したが、一度も同居せずに妻から離婚を言い渡されたんです。子供も生まれたのに……」と嘆くのは、1部上場企業に勤務する年収900万円の早川保さん(仮名・38歳)。
早川さんは妻(27)と2年前に婚活パーティーで知り合い、2カ月後に妻が妊娠した。だが挙式だけ済ませることに。
「妊娠中は疲れやすいという理由で妻から披露宴を拒否されました。思えば、あの時から結婚に積極的ではなかったんです」
マンション暮らしが始まるが、妻は夜になると実家に戻る。理由は「狭いから」。そこで早川さんは広めの1LDKの賃貸マンションに引っ越す。ところが妻は「狭い」と繰り返し、実家に通うことをやめなかった。妻が安定期に入るころ、早川さんは頭金に1千万円を入れ、4千万円の新居を購入。妻と子供との新生活を夢見ていた。
「ところが妻が臨月の時にLINEで入院先の病院を教えてくれた後、連絡が途絶えたんです」
たまたま病院に電話をかけた時に、妻の陣痛がわかった早川さん。会社を早退して、病院へ駆けつけ、出産に立ち会って生まれたばかりのわが子に感動した。だが、妻は連絡をせずに退院し、実家に戻った。
「憤りましたね。しかも子供の名前は、妻の両親がつけたんですよ。出生届だけ提出させるなんて、まるで使い走りのようでした」
実家に戻った妻とは、ますます疎縁になる。
「LINEしても『体調が悪い』。それが3カ月以上続いたので、おかしいと思って、同居を催促したんです。するといきなりLINEがブロックされて。妻の実家に電話をすると留守電。メッセージを入れると以前は折り返しの電話があったのに、それもない」