「しかも友の会の会員でも、買ったチケットの枚数などによって『ダイヤモンド』や『プラチナ』、『ゴールド』などランク付けがなされています。ランクを上げるために、ファンたちはより多く買おうとします」(先のボン乃さん)
しかし、ファンクラブの幹部らに知り合いができると、とたんにチケットが入手しやすくなる。
タカラヅカファンたちによると、ファンクラブにはチケットを注文できるシステムがあり、入手しながら用事で行けなくなったりしたチケットが常に出回っているというのだ。
満員が当たり前のタカラヅカ。どこが空席になっているかを見ればどのファンクラブの席かがわかるというから、ファンクラブも空席を出さないように必死で売り先を探す。
「最初は困ってネットで倍くらいになった高いチケットを買っていましたが、ファンネットワークが増えるにつれて入手が楽になりました」(A子さん)
それはそうだ。相手が苦しいときに即、チケットを買ってあげたりすると、その後の優遇ぶりが違ってくる。
ただし、劇場に公演を見に行っているだけでは知り合いは増えない。タカラヅカファンのネットワークを作ろうとすると、ファンクラブが主催する「お茶会」と呼ばれるスターとの交流イベントなどに参加する必要が出てくる。イベントで同じテーブルになった人と話したりして友達になっていくのだ。トップスターのお茶会ともなると、ペットボトルのお茶とクッキー、軽いお土産だけなのに、参加料が「8千円」だったりする。
ファンクラブに入ったら、それはそれでお金がかかる。タカラヅカファンらは、歌劇団は個々のファンクラブがさばくチケットの枚数や、入り待ち・出待ちの人数、ファンがスターに贈る手紙やプレゼントの数などをしっかり把握していると信じている。
「そのスターの人気ぶりを見ているのでしょう。チケットの枚数などは確実に出世に響くと思います。応援するファンほどお金を使うことになります」(ボン乃さん)