チャンスが多いということは、それだけ過程を見てくれるということ。安打が出なくても、いい打ち方をしている、最初の打席で手も足も出なかった球種に対して2打席目に修正しているなど、対応力も見てくれる。だから、腰を据えてキャンプに臨んでほしい。
実戦が早まることで懸念されるのは、若手は早く結果を求め、中堅、ベテランは周囲のペースに惑わされてオーバーペースになること。例えば、右ふくらはぎの肉離れで2軍スタートとなった中日の根尾昂。早期復帰への努力を怠ってはいけないが、それが焦りにつながっては意味がない。
今年は2020年東京五輪という目標を見据えた大事な年になる。昨年大ブレークした巨人の岡本和真のように、今年一気に活躍すれば、代表入りの可能性も高まる。逆に活躍しなければ、来年の代表入りはない。そういった意味で、キャンプインから3月にかけて、どんな選手が覚醒の可能性を持っているかを、実戦を通じて見ていきたい。
※週刊朝日 2019年2月15日号