「MARCH」(明治、青山学院、立教、中央、法政)では明治が頭一つ抜けている。就活の支援が手厚く、高校の教員らの評判もいい。
「ほかの私立大に進んでいた層が、こちらに入学するようになってきました。選ばれる大学になっています」(明治大の入学センター担当者)
「日東駒専」(日本、東洋、駒澤、専修)では東洋の人気が上昇。上位グループとされる「成成明学」(成蹊、成城、明治学院)とのW合格者で、東洋を選ぶ人もいる。
「留学などの国際化で、ほかと差別化できている。ウェブで様々な授業を見られるようにしたことで、『この先生のゼミに入りたくて入学した』という学生が多くなっています」(東洋大の加藤建二入試部長)
「関西大社会安全学部と近畿大国際学部に合格し、近畿大を選びました」
定隼輔さんは昨年、1浪の末、近畿大国際学部に入った。将来は東南アジアで英語を使って働きたいという。同学部は16年にでき、1年間海外留学することが必修になっている。
「親は就職などを理由に関西大を薦めましたが、やりたいことをしたいと説得しました。大学として勢いがある近畿大にかけてみようと思いました」(定さん)
関西では私立大の“序列”に変化が起きつつある。難関といえば「関関同立」(関西学院、関西、同志社、立命館)で、その次に「産近甲龍」(京都産業、近畿、甲南、龍谷)があった。二つのグループ間には大きな壁があるとされたが、延べ志願者数が全国トップの近畿大が攻勢をしかけている。定さんのような人も出てきている。
関関同立では3、4番手のポジションにあった立命館が2番手に上がりつつある。早くからキャリア教育を重視し、国家資格や公務員試験などの対策も取ってきた。
「試験合格後も、その後のキャリアを見据えたサポートを一体的に行っています。入試説明会でもこの点に興味を示す受験生は少なくありません」(立命館大の広報担当)
(本誌・吉崎洋夫)
※週刊朝日 2018年12月21日号