親が志願先や入学先を押しつけようとしても、実際に受験し学ぶのは子どもだ。
「自分のやりたいことを見据え、そこから将来の職業、学びたい分野、受験する大学・学部を決めていく。いまはやりたいことがわからない場合は、興味を持った分野を大学で学びながら決めていけばいいのです」(同)
親は雑誌やインターネットなどで情報収集し、子どもが悩んでいたら、そっと助言する。東進ハイスクールでは、夏休みに大学の教員を招いて高校生に講義をしてもらい、その内容を冊子で配っている。大学のオープンキャンパスや体験授業などにも、積極的に参加させてあげよう。
入学先では「国公立大」の人気が続いている。
税金が投入されているため私立大より設備が充実し、学生1人あたりの教職員数も多いところが一般的だ。
受験生やその親にとってより切実なのは授業料だ。私立大では施設整備費などを加えると年間100万円を超えるところが珍しくなく、国公立大の倍近くかかる。4年間の大学生活にかかるコストで比べると、評価が高いのは当然とも言える。
国公立大の併願先では、東京大では早稲田大や慶應大、京都大では同志社大や立命館大などがある。W合格した場合は、ほとんどが国立大へ進学している。
ほかでも国公立大を選ぶ受験生が多数だが、そうではないケースも出てきている。
「親は国立大の学費が安いことに魅力を感じていましたが、最終的には早稲田を選びました」
こう話すのは、今年、東京外国語大国際社会学部と早稲田大国際教養学部にW合格した船坂悠馬さん。外国語の分野では東京外大は歴史があって国内最難関として知られ、船坂さんも当初は第1志望だった。
しかし、早稲田大国際教養学部を知るうちに、考えが変わってきたという。2004年にできた新しい学部で、ほぼ全ての授業が英語。学生に占める留学生の割合は約3割と高い。700校以上ある海外の協定校に1年間留学もできる。早稲田大が進める国際化の象徴でもある。