在京球団の職員は「神宮球場や横浜スタジアムは、巨人戦より広島戦のほうがビジターのお客さんが入りますね。広島ファンは関東にも多いし、応援が熱狂的。他球団からすればホームで戦っている雰囲気じゃないですよ」と苦笑いする。

 来季から巨人のユニホームに身を包む丸は、真っ赤に染まるマツダスタジアムで、アウェーの身でプレーする。古巣ファンから大ブーイングを浴びれば、平常心でのプレーは難しいだろう。技術面だけでなく、精神的なタフさが問われる。

 楽天に移る浅村も古巣西武ファンからのブーイングは必至だろう。両チームには浅からぬ因縁がある。浅村を“口説いて”楽天入りにこぎつけたのは、かつて西武に在籍した楽天GMの石井一久。西武のエースだった岸孝之は楽天へFA移籍後、メットライフドームでの登板時や試合後のヒーローインタビューでブーイングや罵声を浴びたことがあった。

「浅村はああ見えて繊細。辻監督も『来シーズンから敵になり、うちの投手陣も必死に抑えると思う。インコース、気を付けてください』と宣告している。ファンのブーイングもあるだろうから、ウチとの対戦はやりにくいんじゃないですか」(西武の関係者)

 古巣ファンからの厳しい視線のなか、どこまで平常心で実力を発揮できるか。好待遇を手にした両選手に新たな試練が待ち受ける。(今中洋介)

週刊朝日  2018年12月21日号

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