平野:今、踊るところが地方に増えてきて、年輩のサラリーマンが会社の帰りにそういうところに寄って、ロッカーに荷物を入れて、ガンガン踊ってるんですよ。私が遠いところで自分なりに踊ってると、(踊るしぐさをして)こうやりながら向こうからサラリーマンが近寄ってくるんです。「こう踊るんだよ。バブルってこうなんだよ」って、教えてるつもりなんでしょうね(笑)。

林:へーえ。

平野:そのパーンとはじけてる感じが、今とぜんぜん違うというか。

林:ノラさんの登場もあって、「バブルっておもしろそう」ってなったけど、若い人たち、相変わらずユニクロ着てコンビニのお弁当食べて、世の中全体元気がないというか、はつらつとしてないですよね。今の若い人たち、ほんとにお金使わないし。

平野:使わないですねえ。

林:あのころは、女子大生もみんな何かブランド品を持ってましたけどね。今いちばん元気なのは初老のおばさんたちで、お金もガンガン使うってこの前の「週刊朝日」にも出てましたけど、まさにバブルのころ青春だった人たちですよね。

平野:ああ、そうなんですね。

林:私も、後の世にスマホなんてものが出てきて、こんなにも本が売れない時代が来るとは思わなかったから、入ってきたお金はガンガン使っちゃいましたよ。

平野:何に使われたんですか。

林:バンクーバー(カナダ)にプールつきの別荘を買いました。そして着物に目覚めて、都内に一軒家が買えるぐらい買っちゃいましたね。それに、シャネルのスーツをパリでオーダーしたり……。

平野:うわ~! すごい!

林:どうだァ!とか言って(笑)。

平野:何かないですか、タンスに眠ってるもの(笑)。「林真理子さんにいただいた」と言ったらメチャクチャおもしろいなと思って。

林:すっごい肩パッドのシャネルのジャケット、このあいだ人にあげちゃった。

平野:あげちゃいましたかァ~。

林:でも、きょうクリーニングから返ってきたシャネルのジャケットがあるから、それを送りますよ。

平野:ワッ、うれしい!

林:ちょっと詰めれば大丈夫だと思う。でも、肩パッドは入ってないですよ。

平野:入れます、入れます。林さんからいただいたら、箔がつきます!

週刊朝日  2018年12月7日号より抜粋