林:よかったですね。私は「東京ラブストーリー」の世代よりちょっと上ですが、あのころ人気絶頂だった織田裕二さんも今まだ残ってるし、鈴木保奈美さんとかW浅野(浅野ゆう子、浅野温子)とかも残ってるし、あのとき第一線だった人ってそんなに消えてないかも。
平野:そうですね。名前を出させてもらってる人、たとえば堀ちえみさんとか、あのころのアイドルは今も皆さんいらっしゃいますよね。パワーがあります。
林:ノラさんの登場で、バブルがギャグになったりパロディーになる時代なんだと思って私はうれしかったですよ。当時の人たちは自分たちの青春が肯定されるような気がして、とてもうれしかったんじゃないかなと思います。
平野:ああ、そう言っていただくと私もうれしいです。
林:今、バブルのころのことを批判的に言われるけど、あのころ日本中が元気だったし、いろんな遺産を残してくれたと思いますよ。建築家は何でもつくらせてもらえたし、アートも何でもオッケーでした。
平野:「テレビも自由だった」って言いますもんね。
林:そう。今や「日本昔ばなし」ですよ。遊びに行っても「お金を払った記憶がない」と言ってましたからね。「誰かが払ってくれた」って。今なんかトイレ行くフリして帰っちゃったりする時代ですから(笑)。
平野:アハハハ。でも、私を通して「バブルのころっていいよね」とか「元気が出るわ」ってなる人もいるみたいで。私もこのキャラをやって、ちょっと明るくなったんですよ。
林:前は暗かったんですか。
平野:暗いというか、基本マジメなんで、けっこう考えちゃうんですね。でもこのキャラをやってからは、自分もすごい得してるなって思います。
林:それは素晴らしい。私、ディスコなんかは気後れして行けなかったんですけど、バブル最後のころに秋元康さんが、「可哀想だから連れてってあげるよ」とか言って閉店後のマハラジャに連れてってくれて。私と柴門ふみさんがお立ち台に上がって、その場に古舘伊知郎さんもいて、あの夜は楽しかったなあ(笑)。