国会で答弁する片山さつき地方創生相(c)朝日新聞社
国会で答弁する片山さつき地方創生相(c)朝日新聞社

 安倍首相から「2人分、3人分の役割」を期待された片山さつき地方創生相が、2~3人分以上の疑惑を浮上させ、炎上中だ。連日、政治資金収支報告書の訂正に追われ、衆院内閣委員会では、「全てチェックした。これ以上はないと考えている」と答弁したものの、収まる気配はない。

【写真】北京で一緒に写真を撮影した片山さつき氏とN氏

 11月21日に行われた衆院内閣委員会では、さいたま市、浜松市、名古屋市にある自身の書籍の看板について、設置許可を得ないまま掲示されており、条例違反だと認めた。

 さらに同委員会では、こんな場面もあった。

 野党から「収支報告を見ると有限会社『オネスト』という会社になっていますけれども、この代表の方はどなたですか」という質問され、片山氏は、「お言葉を返すわけではございませんが、『ネオスト』の間違いでは」と開き直った。

 たが、片山氏の自身の政治資金収支報告書には、「オネスト」と記載されており、会場は失笑に包まれた。政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、片山氏の弱点をこう指摘する。

「秘書を次から次へとクビにするといった、一議員時代のツケが今、全部出ています。だから、前任者のやっていることがわからなくなり、とんちんかんな答弁をせざるを得ないわけです。まさに、身から出た錆。自民党も彼女を助けません。出処進退は自分で決めるわけですから、普通であれば、恥ずかしくて大臣をやめますよ」

 同委員会では口利き疑惑で片山氏が「私設秘書ではない」と言い張っているN氏との関係も質問された。

 N氏は「(片山氏から)秘書の名刺を作ってくれ」と頼まれたとし、北京、ベトナムなど海外の視察旅行にも同行したことを本誌に激白したが、その記事が委員会で取り上げられた。

 野党から外遊の際「一緒に行動したのか」と聞かれると、片山氏は「各々の自前で行動しておりますので、そこまでの把握は難しい」「行程につきましては確認しておりません」と答弁した。

「N氏は一緒に行ったといっている」と追及されても、「飛行機の便も今やもう明確に残っているかわかりません、7年半前ですので、現時点で確認しておりません」「記憶はありません」とノラリクラリ。 

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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片山氏「野党は何を聞きたいのかわからない」