「まひが突然出るというのは、脳動脈瘤が急に大きくなったことを意味します。放置すると破裂の危険が極めて高いため、迅速な治療を要します」
くも膜下出血は、軽症でも重篤な後遺症が起こり得る。予兆があれば一刻も早い受診が必要だ。
脳動脈瘤の破裂を防ぐためにおこなわれる主な治療は、「コイル塞栓術」と、「ネッククリッピング術」の二つだ。
コイル塞栓術は、手首や足の血管から、カテーテルと呼ばれる細い管を通して、動脈瘤の中にコイルと呼ばれる軟らかい金属の糸を詰めていく。内部を埋めているコイルと、隙間の血液が固まることで、脳動脈瘤がふさがり、血液が流れ込まなくなる。からだへの負担が少ないのが大きなメリットだが、まれに入り口部分に隙間ができて、血液が動脈瘤内に再度流れ込むことがある。コイルの進歩は著しく、この短所は大きく改善されてきている。
一方のネッククリッピング術は、全身麻酔をかけて頭蓋骨の一部を切り開き、脳動脈瘤の根元を金属のクリップで挟む。メリットは入り口が完全に閉鎖されるために根治性が高いことだ。(取材・文/鈴木健太)
■くも膜下出血の5つの予兆
□経験したことのない激しい頭痛
・こんな症状にも注意
□頭が持っていかれるような感じ
□何かが頭の中ではじけた感じ
□頭が一方向に引っ張られる感じ
□急にまぶたが落ちたり、動きが悪くなったりする
※週刊朝日 2018年10月19日号