


ハワイでサーフィン中に亡くなった思春期の息子タカシと、シングルマザーとして彼を育ててきた母親サチとの関係を描いた、村上春樹原作の映画「ハナレイ・ベイ」(10月19日公開)。タカシを演じる佐野玲於さん(GENERATIONS from EXILE TRIBE)と、サチ役の吉田羊さんの“親子対談”をお届けします。
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──お二人は今作が初共演ですが、お互いの印象はいかがでしたか?
吉田:私は失礼ながら佐野玲於くんのことを知らなくて。リアルに彼のことがわからない、という感情が、タカシとわかり合えなかったサチの感情にうまくリンクすればいいなと思って、あえて、彼のことを何も調べずに、現場に入らせていただきました。
佐野:僕はもちろん羊さんのことをよく知っていました。ドラマや映画を見ていたし、(同じGENERATIONSの関口)メンディーくんは、羊さんがタイプで、ずっと好きだ、理想の女性像だ、と言っていたので。映画で共演する話を彼にしたら、ジェラシーで大変でした(笑)。寡黙でストイックなイメージがあったので、身の引き締まる思いもしました。
──サチには強い母という一面があります。吉田さんと共通点はありましたか?
吉田:私ならもう少し優しくするかな。親子であれ、誰であれ、言葉にして伝え合わなければわかり合えないと思っているので、もう少し理解しようと努力するでしょうし、理解してほしくて、自分の気持ちを伝えることは怠らないと思います。
佐野:羊さんが本当にお母さんだったら、僕は甘えちゃってドラ息子になっているかもしれないですね。
──佐野さんは、タカシに共感する点があった?
佐野:けっこう「自分だな」と思いましたね。僕にも中学のとき反抗期があったので、タカシを自然に演じることができました。
吉田:あ、だからですね。洗濯物について2人で口論するシーンが、すごくリアルだったんです。あの場面はほとんどアドリブなんですが、何を言っても返してきて、でもサチとの口論にもう勝てないと思ったら部屋に閉じこもるまでの流れが、すごくリアルで。そのとき私、佐野くんすごいなって思ったんです。