「度数を合わせるという点では眼科でも眼鏡店でも同じです。ただ、眼科ではメガネ処方だけでなく、緑内障や白内障といった目の病気がないかもチェックしています。目の健康を維持するためには、まずは眼科に来てほしいですね」
眼科では、医師やORT(視能訓練士)という視力を測るプロが、レンズが合っているかどうかを調べる。目の疲労度などは時間帯で変わる。朝や午後の早いうちの、まだ目が疲れていないときに視力測定をしてもらうのがよいそうだ。
一方、眼鏡店は千差万別。レンズの質が向上している一方、それを取り扱う店員の能力がまだ十分ではない現状もある。めがね技術コンサルタントの内田豪さんは「店舗の規模にかかわらず、腕のいい店員を見つけること」と助言する。
「今、一定の技術や知識を持っていると認められる資格『認定眼鏡士』を持つスタッフが増えています。そういうスタッフが常駐しているというのも眼鏡店を選ぶときの目安になります」(内田さん)
この認定眼鏡士がいる眼鏡店は日本眼鏡技術者協会のウェブサイトで検索が可能だ。
見ようとする自分の意思と関係なく、見え方を客観的に判断してくれる装置も出てきた。それが梶田さんのクリニックで採用している「調節機能解析装置」という検査機器だ。
この装置を製造するライト製作所は、「テレビ番組で紹介されたこともあり、今年2月ぐらいから導入する眼科が増えた。眼鏡店でも使うところが出てきている」(営業部担当者)という。眼科や眼鏡店を選ぶ一つの目安になるかもしれない。
次にフレーム選び。いい眼鏡店を選ぶひとつの指標として、平塚さんは、「フィッティングに時間をかける店」を挙げる。軽くて強度があるなどフレームの素材に注目するだけでなく、個人に合わせて微調整をしてくれる眼鏡店かどうかを重視すべきだという。
「眼科でメガネ処方をしてもらったとしても、そのレンズを快適な見え方に生かすには、その人の顔の形や耳の高さの左右差などを考えたフレーム選びが必要。安定していて顔を動かしてもずれない、ストレスなくかけられる、そんなフレーム選びやフィッティング技術にたけているお店が理想です」(平塚さん)
年齢を目安に、老眼鏡や遠近両用メガネなどを使いこなすポイントもまとめた。