「甘利氏は復活するよ。彼は安倍さんの本当の手の内だからね」(屋山氏)
だが、甘利氏が大臣室で50万円を受け取った金銭授受問題は不起訴処分になったとはいえ、説明責任を果たしたとは言い難い。政治ジャーナリスト・野上忠興氏は、閣僚としての再登板に否定的だ。
「閣僚復帰となれば就任会見で金銭問題の質問を浴びせられ、秋の臨時国会でも野党の標的にされる可能性もあり、内閣のイメージ悪化は不可避でしょう。総裁選で予想外の苦戦で、復帰には入閣カードを切らずに党三役として処遇の道を選ぶこともあり得ます」
竹下亘氏の後任として、党総務会長に就くと予想する。
しかし、政調会長に加藤勝信厚労相、総務会長に下村氏を有力視する見方もある。
「加藤さんは故・加藤六月さんの娘婿。首相の母、洋子さんは六月夫人と懇意で、加藤家と安倍家は強い関係がある。さらに加藤さんは竹下派で、石破一本化を潰し、自主投票にした功労者。ねぎらう必要もある。加藤さんを政調会長にすると、総務会長の竹下さんと同じ派閥になってしまうので、玉突きで下村さんを総務会長にするのではないか」(角谷氏)
下村氏本人は細田派会長ポストを希望しているという情報もある。
萩生田氏も入閣が有力視される。自民党関係者の一人が言う。
「本人は総務、経産相など重要閣僚狙いらしい。だが、まだ5期目だし、初入閣だから経済再生担当などになるのではないか。だが、お友達人事をやると、不満のマグマが党内にたまることになる」
こうしたお友達らの猟官運動は水面下で激しさを増している。鈴木氏がこう指摘する。
「安倍さんに次はないわけですから、3年の任期が、世代交代し、場合によっては途中退陣もありうる。下手すれば、最後の組閣になりかねない」
同じ派閥の萩生田氏、西村康稔官房副長官、橋本聖子氏ら入閣待望組にとってはラストチャンスとなりそうなのだ。